2011年2月18日金曜日

Wonderful World


マーヴィン・Gaye、その前を歩んでいたサム・Cooke。彼の『A Change Is Gonna Come』 はあまりにも大きく、涙なしには聴かれませんが、『Wonderful World』は、馴染みやすい快活なメロディ。ですが聞き込んでいくと、単なる恋愛ソングには聴こえません。‘勉強が手につかない恋する男の子’の姿を借りながら、人々に何を言いたかったのかーを汲み取りたいと、自分なりに意訳してみました。子ども達への愛情があふるる曲とも思えます。


【曲紹介】
◯リリースは1960年。詞/曲は、Sam Cooke(1931ミシシッピ州Clarkdale〜1964。牧師の八男)、Lon Adler、Herb Albert。


◯サム・クックの映像と共に→ http://www.youtube.com/watch?v=hNV4dAdz3IY


◯オーティス・レディング、アート・ガーファンクル、ブライアン・フェリー、ロッド・ステュワート他、数多くの歌手がカヴァーしている。


◯日本のウルフルズもカヴァー。Don't know 〜が「どの街まで行けば..」に。


【歌詞】
Don’t know much about history
Don’t know much biology
Don’t know much about a science book
don’t know much about the french I took
But I do know that I love you
and I know that if you love me, too
what a wonderful world this would be
歴史のことはよくわからない
生物学なんてよく知らない
科学の本なんかどっちでもいい
専攻したフランス語だけど勉強する気になれない
わかっているのは、(勉強が手につかないほど)君を愛していること
君も僕を愛してくれているなら
どんなに素敵な世界になるだろう
Don’t know much about geography
don’t know much trigonometry
Don’t know much about algebra
don’t know what s slide rule is for
But I do know that one and one is two
and if this one could be with you
what a wonderful world this would be
地理のことなんかよく知らない
三角法なんてどうでもいい
代数学のことなんかよくわからない
計算尺を何に使うのかも知らない
でも、1タス1が2だってことは知ってるさ
その1が君だったなら
どんなに素敵な世界になるだろう
Now I don’t claim to be an ‘A’ student
but I’m tryin’ to be
For maybe by being an ‘A’-student, baby
I can win your love for me
成績のいい優等生にして欲しいなんて言わないよ
でも、そうなろうと頑張っているんだ
もしかしたら、優等生になれば
君の愛を勝ち取ることができると思っているのさ
Don’t know much about history
don’t know much biology
Don’t know much about a science book
don’t know much about the french I took
But I do know that I love you,
and I know that if you love me, too,
what a wonderful world this would be
歴史、そう奴隷制の歴史を忘れることなんてできない
生物学的に黒人が劣等という証拠なんてないのさ
天文学者のベンジャミン・バネガーを知っているかい
科学の本にはきちんと出てないようだけど
フランスに移住したリチャード・ライトは、パリじゃ立派な作家さ
君たちのことを信頼している
君たちが僕をを愛してくれるなら
どんなに素敵な世界になるだろう

Don’t know much about geography,
don’t know much trigonometry.
Don’t know much about algebra,
don’t know what s slide rule is for.
But I do know that one and one is two,
and if this one could be with you,
what a wonderful world this would be.
これからの僕たちに、学問は欠かせない
歴史や生物学、天文学も勉強しよう
フランス語を学んで アフリカの黒人たちと交信しよう
地理はもちろん必要
三角法も学ばなきゃ
代数学からも逃げちゃダメさ
計算尺を何に使うのかも知っとかなくちゃ
1プラス1は2 即座に2倍になるのさ
君がその1になってくれたら
世界はどんなに素敵になるだろう

*地球上のあらゆる人類は、アフリカ大陸に生きた七人の女性の子孫と判明してきた現在でも、多義的に多様に受け容れられる大きな歌。

2 件のコメント:

  1. この曲を、ウルフルズが歌っているとは、知りませんでした。改めて天里さんのセンスの良さ和訳力に感心します。

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  2. コメント、有難うございます。過分なお言葉ありがとうございます。その昔、「ブラック・パワーの根源と可能性」というようなレクチャーを聴きに行った時に、サム・クックが取り上げられ、そこで初めて聴きました。人種差別撤廃を押し進めるために、‘ミュージシャンがミュージシャンとしてできること’をいかにしたたかに(いい意味で)行ったのかーが解説されました。その時の記憶を辿りながら、訳してみました。ですから、センス...では無いのです(泣)。でも本当に、有難うございました。

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