2012年4月22日日曜日

You're Still You


シチリア島、モニカ・ベルッチ、映像に重ね合わされる音楽、わめき合いながらも暖かい家族、何もかも全て美しいと感じさせる映画『マレーナ』。その主題曲に付与されていた歌詞を聴いたとき、旋律にあらかじめ籠められていた愛の姿を改めて知ることとなりました。憧れの女性が男たちに弄ばれていても、正義を振りかざす女たちに残酷な仕打ちを受けているときも、見つめるしかできない‘少年’。報いを求めることのない一途な想い。眼に焼き付いていた、夫の写真を抱きしめながら独り踊る彼女の姿。美の根源を感じ取り、やがて一人前の男性へと成熟していったであろう少年の、変わらぬ愛が唄われています。

【曲紹介】
◯作曲: エンニオ・モリコーネEnnio Morricone、作詞:リンダ・トンプソン Linda Thompson

◯映画『マレーナ』は、ルチアーノ・ヴィンセンツォーニの短編小説を、ジョゼッペ・トルナトーレ監督が映画化した作品。2000年10月イタリアで公開された。なお、映画の中では歌詞は使われて(歌われて)いない。

◯上記動画の冒頭で言及されているように、人気ドラマ『アリー・マイラブ』第4シリーズの最終話の中で、Josh Groban(劇中では高校生)に唄われた。


【歌詞】
Through the darkness
I can see your light
And you will always shine
And I can feel your heart in mine
Your face I've memorized
I idolize just you
暗闇の向こうに
貴女という光が見える
これからも輝きつづけるであろう‘あなた’
僕の心が感じるあなたの想い
記憶に刻み込まれたあなたの顔
ただひとりの憧れの女性

I look up to
Everything you are
In my eyes you do no wrong
I've loved you for so long
And after all is said and done
You're still you
After all
You're still you
あなたを仰ぎ見ていた
あなたが全てだった
僕の眼に映ったあなたは間違った事なんてしていない
本当に長い間僕はあなたを愛しつづけてきた
だから、何と言われようが何をされようが
‘あなたは貴女なんだ’と言える
そう、結局のところ
あなたは依然として貴女なんだ

You walk past me
I can feel your pain
Time changes everything
One truth always stays the same
You're still you
After all
You're still you
街ですれ違えば
僕にはあなたの痛みが伝わってきた
時が過ぎ、すべてが変えられていくとしても
一つの真実は変わらないまま
貴女は貴女であり続けるということ
あなたはあなたのままなのだということ

I look up to
Everything you are
In my eyes you do no wrong
And I believe in you
Although you never asked me to
I will remember you
And what life put you through
あなたのすべてを尊敬している
僕が知る限り、あなたは間違っていない
そう僕はあなたを信じている
たとえあなたに望まれないとして
僕はあなたを決して忘れはしない
‘人生’があなたに経験させた苦難も

And in this cruel and lonely world
I found one love
You're still you
After all
You're still you
こんなにも残酷で、無慈悲な世界の中で
僕は一つの愛を見出したんだ
あなたはあなたであるということ
何がどうなろうと
いつまでも変わらない 君


※映画完成後、トルナトーレ監督は、万感の思いをこめて、こう語ったそうです。
「この映画を観たすべての女性に、考えてみて欲しい。‘自分もこのように愛されたことがあっただろうか。しかも、気づかないうちに’」。