2011年5月22日日曜日

Auther's Theme (Best You Can Do)


映画そのものよりも主題歌が単独で大ヒット。ムーンライト・セレナーデを想わせる優しいメロディと素晴らしい歌詞。‘get caught between the Moon and New York City’の中に、美しい月あかりもニューヨークの夜景も、恋に捕われた二人も、すべてが籠められています。他にも、‘closing down the town’等など、直訳しづらいものの、幾重にも注がれた意味が素直に伝わってくるオシャレで粋な表現が見受けられます。


【曲紹介】
◯作詞/作曲に名を連ねているのは、唄っているクリストファー・クロスChristopher Cross、大ヒットメーカーのバート・バカラック Burt Bacharach、作詞家として活躍し、当時はバカラックの妻だったキャロル・ベイアー・セイガーCarole Bayer Sager、ピーター・アレンPeter Allen。

◯ダッドリー・ムーアDudley Moore andとライザ・ミネリ Liza Minnelli主演の映画『Arther』(1981)の主題歌。原題は『Arthur's Theme (Best That You Can Do)』だが、日本では『ニューヨーク・シティ・セレナーデ』として発表された。

◯ブルース・スプリングスティーンのNew York City Serenadeとは全く別の曲。

【歌詞】(*意味の含有率が高いので、長めの訳となりました)
Once in your life you find her
Someone that turns your heart around
And next thing you know you're closing down the town
Wake up and it's still with you
Even though you left her way across town
Wondering to yourself, "Hey, what've I found?"
人生で一度くらいは会えるもの
君を振り向かせ、(メリーゴーランドのように)心ときめかせる女性に
そんな人に出会ってしまったら
何も手がつかなくなって
街ごと頭から締め出そうとするに違いない
ところが目を覚ましても、まだその街の中
彼女を街の向こうに置いて来たとしても..
君は首をかしげる
‘いったいこの出会いは何なんだ?’って

When you get caught between the Moon and New York City
I know it's crazy, but it's true
If you get caught between the Moon and New York City
The best that you can do ......
The best that you can do is fall in love
ニューヨークでとびきり美しい月を眺めることがあったら
バカげた話なのはわかってるけど、本当の話さ
ニューヨークで月だけが眼に映るとしたら
とにかく
とにかく君は、恋に落ちることさ

Arthur he does as he pleases
All of his life, he's mastered choice
Deep in his heart, he's just, he's just a boy
Living his life one day at a time
And showing himself a really good time
Laughing about the way they want him to be
アーサーは好き勝手なことをやっている
これまでの人生で選択をする術をマスターした
心の底で感じているのは、自分はただの、ただの子供だって事
その日かぎりの人生を送って
楽しんでいると自分に言い聞かせてきた
世間が彼に求める生き方を笑い飛ばしながら

When you get caught between the Moon and New York City
I know it's crazy, but it's true
If you get caught between the Moon and New York City
The best that you can do .....
The best that you can do is fall in love
月とニューヨークの間につかまってしまったら、
おかしなことだが、あり得ることさ
月とニューヨークの間にいる自分を感じたら
何はともあれ
恋に落ちることさ



2011年5月12日木曜日

All by Myself


実はこの映画を未見ですが、予告編を見る限り、非常にマッチしていてびっくり。ジェイミー・オニール Jamie O'Nealの歌唱が正直で甘過ぎず、全体として力強いせいでしょうか? ヒュー・グラントは、お決まりの外見だけイケメンに徹し、最近目覚ましい活躍ぶりのレニー・ゼルウィガーの魅力がふんだんに撮られている様子が伺えます。あまりにもエリック・カルメンのイメージが強く、サビの連続に少々しつこさを感じるものの、セリーヌ・ディオンがカヴァーし、スタンダード・ナンバーとして定着したようです。

【曲紹介】
◯作詞/作曲は、エリック・カルメンEric Carmen。1975年にリリースされ、翌1976年に大ヒット。当時の日本におけるタイトルは『サンライズ』だったとか。

◯ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番(作品18)第2楽章のメロディーをアレンジしたことで知られ、1996年のセリーヌ・ディオン版では作曲者としてラフマニノフもクレジットに記されている。

◯2001 年の映画『ブリジット・ジョーンズの日記』Bridget Jones’s Diary での歌唱は、ジェイミー・オニール Jamie O'Neal。



【歌詞】
When I was young
I never needed anyone
And makin' love was just for fun
Those days are gone
若かったころは
誰も必要じゃなかった
愛し合うのも楽しむためのこと
けれど、そんな日々は過ぎ去ってしまった

Livin' alone
I think of all the friends I've known
But when I deal the telephone
Nobody's home
一人で暮らしていて
知っている友達のことをふと思い
電話をかけてみるけど
誰も家にいない

All by myself
Don't wanna be
All by myself
Anymore
一人でやってきた
そうなりたかったわけじゃない
でも全くの一人
一人はもうイヤ

Hard to be sure
Sometimes I feel so insecure
And love so distant and obscure
Remains the cure
自信がもてない
時々とても不安になるの
愛は手の届かない曖昧なもの
癒しを求め続けている

All by myself
Don't wanna be
All by myself
Anymore
一人ぼっち
一人ぼっちはもういや
全部ひとりでなんて
もう堪えられない

All by myself
Don't wanna live
All by myself
Don't want to live
By myself, by myself anymore
一人きりで生きていたくない
これ以上一人で
生きていたくはないの

When I was young
I never needed anyone
And makin' love was just for fun
Those days are gone
若かったころは
誰にも助けを求めなかった
愛し合うのも楽しむためだけのこと
けれど、そんな日々は遠い昔のこと

All by myself
Don't wanna be
All by myself anymore
All by self
Don't wanna live
All by myself anymore
独りで生きようなんてしない 今は
もう ひとりでいようだなんてしない
もう ひとりで生きようなんて思わない
もう ひとりはたくさん

2011年5月11日水曜日

Way Back Into Love


曲全体が、映画の内容と見事にマッチした歌。上手くいかない事つづきの二人が出会い、一緒にラヴ・ソングをつくりあげ、互いへの愛を確信するというストーリー。物書き志望の女性を演じるドリュー・バリモア、元ポップスターに徹したヒュー・グラント共に適役で、ほのぼのと楽しめる映画でした。直訳すると“曲と詞 ”という映画ゆえ、歌詞は韻を踏み続けられた技ありモノ。和やかで親しみやすいメロディが恋の気分を応援してくれます。(※歌が始まるのは約1分後です)


【曲紹介】
◯2007 年公開の映画『Music and Lyrics』(邦題:『ラヴソングができるまで』)の主題歌。80 年代を知る人々には懐かしく楽しい予告編はこちら☞ http://youtu.be/tiEoMwwk5uM

◯作詞/作曲は、Adam Schlesinger。

◯歌唱は、デモヴァージョンがヒュー・グラント Hugh Grant とドリュー・バリモア Drew Barrymore 。ラストシーンは、ヒューと Haley Bennett。

【歌詞】
[Cora]
I've been living with a shadow overhead
I've been sleeping with a cloud above my bed
I've been lonely for so long
Trapped in the past, I just can't seem to move on
覆い被さるような影を引きずって生きていた
雲が立ちこめているようなベッドで眠り
ずっとずっと独りきりだった
過去に囚われて、踏み出せずにいた

[Alex]
I've been hiding all my hopes and dreams away
Just in case I ever need them again someday
I've been setting aside time
To clear a little space in the corners of my mind
夢や希望は全部しまい込んで来た
いつかまた必要になった時のために
心の片隅の小さな空間を片付けたくて
時の流れに向き合わずに生きて来た

[Cora & Alex]
All I wanna do is find a way back into love
I can't make it through without a way back into love
Oh oh oh
愛に戻る方法を見つけたいだけ
愛がなければ生きる意味もない
あぁ

[Cora]
I've been watching but the stars refuse to shine
I've been searching but I just don't see the signs
I know that it's out there
There's gotta be something for my soul somewhere
空を見上げ続けていたのに星が輝いてくれない
探してきたけどサインに気づかなかったのかしら
あるのは分かってる
魂が求めるような何かがどこかにあるはず

[Alex]
I've been looking for someone to shed some light
Not somebody just to get me through the night
I could use some direction
And I'm open to your suggestions
光を注いでくれるような人を捜し求めてきた
一夜かぎりのための誰かではなくて
どこへでも行かれそうだけど
いつだって君の提案に耳を傾けていたい

[Cora & Alex]
All I wanna do is find a way back into love
I can't make it through without a way back into love
And if I open my heart again
I guess I'm hoping you'll be there for me in the end
愛に戻る道がわからなければどうしようもない
愛に戻る道筋がつかめたら
そうして今一度私が心を開いたら
最後にはきっとあなたに傍にいて欲しいって想うから

(以下、上記動画では唄われていません)
[Cora]
There are moments when I don't know if it's real
Or if anybody feels the way I feel
I need inspiration
Not just another negotiation
現実なのかわからなくなる時があるの
それとも皆私と同じように感じてるのかしら
必要なのはインスピレーションを受けること
話し合いをしたいわけじゃないの

[Cora & Alex]
All I wanna do is find a way back into love
I can't make it through without a way back into love
And if I open my heart to you
I'm hoping you'll show me what to do
And if you help me to start again
You know that I'll be there for you in the end
愛に戻る道さえ見つけられたら
愛に戻る道がなければ
あなたに胸の内を開いた時には
この先どうすればいいか教えてね
もし歩き出そうとする私を助けてくれるなら
最後にはきっとあなたの傍にいるから

All I wanna do is find a “way back into love ”
“愛に戻る道”を見つけたいだけ

2011年5月6日金曜日

Somewhere


生まれ出づる者全てに与えられている場所、それは故郷。ただ、その場所に住み続けられるのは極めて幸運なことに違いありません。愛を成就できる場所を夢想する恋人たちの歌ですが、画像に現れる北極熊、為す術無く呆然と佇む人々、手をつなぎ走る子どもたちに、故郷を去らざるを得ない過酷な状況が浮かびます。いつか観た芝居に「世界にぼくたちの占める場所がないならば、時間を占めよう」という台詞がありましたが、時間すら奪われていく様にただただ祈りをこめるばかりです。

【曲紹介】
◯作詞は、ステファン・ソンドハイムStephen Sondhein、作曲は、レナード・バーンスタイン Leonard Berstein 。1957年制作の現代版ロミオとジュリエット・ミュージカル『ウエストサイド物語』の一曲。

◯1961年に製作されたナタリー・ウッド主演の映画では、トニーとマリアの二重唱で歌われていたが、元の舞台では、トニーとマリアの夢の中を描いたシーンで、「少女」と称される歌手が「どこかで」歌うという設定だったらしい。

◯さまざまな歌手がカヴァーしているが、上記動画はCharlotte Church と Josh Groban によるもの。

【歌詞】
There's a place for us
Somewhere a place for us
Peace and quiet and open air
Wait for us
Somewhere
私たちのための場所があるはずだわ
どこかに私たちのための地が
平和で穏やか、そして風通しのいい場所が
私たちを待っているの
どこかで

There's a time for us
Someday there'll be a time for us
Time together and time to spare
Time to learn, time to care
Someday, somewhere
ぼくらのための時間があるはずさ
いつかやってくる
一緒に過ごしていかれる時
ゆとりの時間
学びの時間、思いやる時間
いつか得られるはずさ
どこかで共に過ごせるはずさ

We'll find a new way of living
We'll find there's a way of forgiving
Somewhere...
私たちは新しい生き方を見つけていくでしょう
許し合う方法があると気づくことでしょう
どこかで

There's a place for us
A time and a place for us
Hold my hand and we're half way there
Just hold my hand and I'll take you there
Somehow...
Someday, somewhere...
ぼくたちの地があるはず
私たちのための時と地が
手を取り合って行こう
道のりの半分まできたのだから
さぁ手を取って
僕がそこに連れて行くよ
何とかして
いつか
その場所に

※“いつか観た芝居の台詞”とは、こちらです。
量子:「僕たちがそれをするのは、うったえるためでも、知らしめるためでも、あらぶるためでも、たたかうためでもない。僕たちがそれをするのは、それがひとつの僕たちの生活だからだ。僕たちはたしかにくるしい。それは紙幣がないからなのかもしれないし、将来とよばれているものがないからなのかもしれない。でも、ひょっとしたら、僕たちのくるしさは、世界にぼくたちの占める場所がないからなのかもしれない。それならば、僕たちは、時間を占めよう。ここにささやかに、僕たちの生活とよべる時間を占めよう。」〜北村想作『Duck Soap』