‘Man In Black’と称された大御所ジョニーキャッシュJohnny Cashの遺作となった映像。たった4分間に人生が凝縮包括されています。輝かしい栄光の歴史も、彼にとってはゴミの山でしかなかったのか。ドラッグ中毒、逮捕歴..深い傷と痛みの数々。何度も映されるキリスト像。年齢による声の変化は、衰えではなく重みへと深化していたことを知らされます。心配そうに見つめる妻の姿。引き裂かれるような想いを秘め、淡々と歌いきる男の存在感がズシリと刻まれます。
◯作詞/作曲は、ナイン・インチ・ネイルズNine Inch Nailsのトレント・レズナーTrent Reznor。アルバム『The Downward Spiral』収録(1995)。
◯映像の監督は、マーク・ロマネックMark Romanek
◯ジョニー・キャッシュJonny Cashは、リック・ルービンのプロデュースで数々の名曲をカヴァーしたアコースティックアルバムAmerican シリーズを製作。‘Hurt’は、4作目『American IV: The Man Comes Around"に収録されている。
◯撮影が行われた翌年の2003年5月に妻June Carter Cashが、9月にJohnny Cash本人が亡くなった。
I hurt myself today
To see if I still feel
I focus on the pain
the only thing that's real
俺は今日 自分自身を傷つけてみた
まだ感覚があるかどうか 確かめたくて
その痛みに意識を集中してみる
それだけが唯一の本当のことだ
The needle tears a hole
the old familiar sting
try to kill it all away
but I remember everything
針で 穴をひっかく
おなじみの 突き刺すような痛み
引きずってきた傷
それら全部を殺し去ってしまいたい
でも俺は すべてを覚えている
What have I become?
My sweetest friend
Everyone I know
goes away in the end
俺は一体何者なんだ?
親しい友も
知っている人々は皆
結局は立ち去ってゆく
And you could have it all
I will let you down
I will make you hurt
お前に全部やろう
うす汚れたゴミの帝国
お前をガッカリさせるだろう
お前を傷つけてしまうだろう
I wear this crown of shit (thorns)※
Upon my liar's chair
Full of broken thoughts
I can not repair
俺は「デタラメ」(いばら)の王冠をかぶり
見せかけの玉座に腰かける
バラバラな考えで頭の中は一杯
なのに修復できずにいる
Beneath the stains of time
the feelings disappears
You are someone else
I am still right here
時だけが染み込んでいく
感情は消えていく
もはやお前が誰かわからない
俺はまだ ここにいる
What have I become?
My sweetest friend
Everyone I know
goes away in the end
俺は何者になったというのか?
愛する人々も友も
知っている人は皆
最後には立ち去っていく
And you could have it all
My empire of dirt
I will let you down
I will make you hurt
うす汚れたゴミの帝国では
すべてを手に入れる事ができる
けれど自分自身に落胆するのさ
自分自身を傷つけるのさ
If I could start again
a million miles away If I could start again
I would keep myself
I would find a way...
やり直すことができるのなら
百万マイル離れた場所で
そう遥か遠くへ行き
自分自身を見失わずにいよう
俺は自分の道を見つけるだろう
※shitは、汚い言葉で放送禁止用語でもあるので、「crown of thorns」(イバラの冠:キリストが被せられた)と替えて歌っています。
※英語の歌の場合、you は必ずしも相手を指さず、I の意味でも用いられる事があるので、そのように訳してみました。
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