2011年4月20日水曜日

Free


「トータルでフリーと言える人々は、この地球上にわずかしか存在しない。自分は、人々の自由とともに自由に向かって活動している」と発言した上での歌唱。この映像を眼にするとき、スティービーが背負って来た重荷を感じざるを得ません。土地や時間、先入観に縛られて来た‘本来の自由’。逆説的な歌詞とアコースティック・ギター、そして芯の強いコーラスが、世界の矛盾を、覆いかぶさる硬い壁にうごめく軋みや亀裂を感じさせます。深い部分での自由を獲得し得た者だけが表わせる‘永遠’という自由の意味を示唆する、深い曲です。

【曲紹介】
◯作詞/作曲は、スティービー・ワンダーStevie Wonder。

◯1987年発表のアルバム『キャラクターズCharacters』収録。

【歌詞】
Free like the river
Flowin' freely through infinity
Free to be sure of
What I am and who I need not be
Free from all worries
Worries prey on oneself's troubled mind
Freer than the clock's hands
Tickin' way the times
Freer than the meaning of free that man defines
Life running through me
Till I feel my father God has called
河のように自由
無限へと流れて行くのさ
自分が本来どんな人間であるべきか、
どんな人間である必要がないか
確信をもつ自由
人々の病んだ心を餌食にするような
あらゆる懸念から解き放たれ
時を刻む時計の針よりも、自由
人が定義する自由の定義よりも、自由
人生は僕の中を駆け抜けていく
父なる神がお呼び下さったと感じるその時まで

Me having nothin'
But possessing riches more than all
And I'm free
To be nowhere
But in every place I need to be
Freer than a sunbeam
Shinning through my soul
Free from feelin' heat or knowing bitter cold
Free from conceiving the beginning
For that's the infinite start
僕は何も持っていない
でもどんな金持ちよりも豊かなんだ
そして僕は自由
どこにも所属していない
必要な時にはどこにでも行かれる
魂を輝かせてくれる太陽光線よりも
僕は自由
熱さや辛い寒さからも解き放たれている
無限の始まりである出発点を
心に描く必要も無い

I'm gone - gone but still living
Life goes on without a beating heart
僕はもうこの世にいない
でもまだ生きている
生命は鼓動する事無く続いていく

Free like a vision
That the mind of only you can see
自由
君の心だけが描けるヴィジョンのように自由

Freer than a raindrop
Falling from the sky
Freer than a smile in a baby's sleepin' eyes
空から落ちてくる
雨つぶよりも自由
眠れる赤子の笑顔よりも、自由

I'm free like a river
Flowin' freely to infinity
I'm free to be sure of what
I am and who I need not be
I'm much freer - like the meaning of the word free that
crazy man defines
Free - free like the vision that
The mind of only you are ever gonna see
Free like the river my life
Goes on and on through infinity
河のように自由
無限へと流れ行くのさ
自分が本来どんな人間であるべきか、
どんな人間である必要がないか
確信が持てるような自由
頭のイカレた連中が定義するような自由の意味よりも
もっとずっと自由
自由!
君の心だけに見えるヴィジョン
河のように自由
僕の人生は、無限へと、無限へと向かって行く

※スティービーが冒頭で ‘ I'm not free ’と言っているのは、「自分=自分以外の人」と彼が考え、その人々が自由でない事を示していると捉えています。彼自身は、世間の制度とは別次元で、さまざまな怖れから解き放たれつつあったと感じます。

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