2011年2月1日火曜日

Just One Of Those Things


↑歌うは、ハリウッド随一の美貌と謳われたスーザン・ヘイワード。ニューヨークはブルックリンの生まれ、歌手としての巧さより、女優の演技。夢心地の胸の内や遊び心を、ジャズエイジを想う起こさせるように、軽快にゴージャスに表現している。レコードの針の音と華麗な姿とともに楽しめるスタンダード・ナンバー。唄い方によっては、失恋し心に痛みを感じながら「よくあること」と言い聞かせるという情景にもなる、奥行きのある歌。


【曲紹介】
◯邦題「そんなことなの」。Cole Porter が『Jubilee』(邦題「聖なる年」1935)のために作詞作曲を手がけた作品。同ミュージカルでは「ビギン・ザ・ビギン」も発表されている。


◯1960 年の映画『カン・カン』では、モーリス・シュバリエMaurice Chevalier、『Lullaby of Broadway ブロードウェイの子守唄』(1951)では、ドリス・ディDoris Day がタップダンスを披露しながら歌唱し、リバイバルヒット。3年後『Young At Heart』ではフランク・シナトラFrank Sinatraがピアノを弾きながら。


◯スクリーンにはたびたび登場し、上記の他(制作年、歌手名)『Panama Hattie (1942, Lena Horne)』『Night and Day (1945, Ginny Simms)』『The Jazz Singer (1953, Peggy Lee)』『At Long Last Love (1975, Burt Reynolds)』『De-Lovely (2004, Diana Krall)


◯映画以外でも、Ella Fitzgerald、Louis Armstrong、Nat King Cole、Bilie Holiday、Sarah Vaughan、Bing Crosby ら大御所が次々に録音している。








【歌詞】

It was just one of those things
Just one of those crazy flings
One of those bells that now and then rings
Just one of those things
ただのよくある出来事
狂ったような激しい衝動
ときどき鳴り響くベルのようなもの
よくあることの一つ

It was just one of those nights Just one of those fabulous flights
A trip to the moon on gossamer wings
Just one of those things

よくある夜の出来事
すばらしい夜間飛行のようなもの
華奢な羽根に乗って月に行ったみたいな
それはただのよくあることの一つ


If we'd thought a bit before the end of it
When we started painting the town
We'd have been aware that our love affair
Was too hot not to cool down

終わりのことを少しでも考えていたら良かったかも
街を色づけしてみたくなるほど想いが盛り上がり始めた頃に
私たちはのぼせ過ぎて
クールダウンできなくなっていると


So good-bye, dear, and amen
Here's hoping we meet now and then
It was great fun
But it was just one of those things
じゃあね、さようなら、お幸せに
ここでまたいつか逢えますように
とても楽しかったわ
ただのよくあることだったわ
...................................................
ちなみに VERSE(本題の前の語り)は、
As Dorothy Parker once said to her boy friend,
"Fare thee well,"
As Columbus announced when he knew he was bounced,
"It was swell, Isabelle, swell,"
As Abelard said to Heloise,
"Don't forget to drop a line to me, please,"
As Juliet cried in her Romeo's ear,
"Romeo, why not face the fact, my dear?


ドロシー・パーカーはボーイフレンドに言った。
「カーンペキにさようなら」
お払い箱になったとわかった時、コロンブスは女王に言った。
「楽しかったよ、イザベル、楽しかったさ」
アベラールは、エロイーズに
こう言った。
「忘れずに手紙を書くんだよ」
ジュリエットはロメオの耳元で泣きながら言った。
「愛しいロメオ、現実を見て」
*ドロシー・パーカー:ジャズエイジの華と呼ばれた小説家、詩人。近年では、アラン・ルドルフ監督作品『ミセス・パーカー』に描かれている。
*神学者ピエール・アラベールと、20歳年下のエロイーズの恋も当時の世間をにぎわせたとか。

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